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(体が…重い……。それに、酷く、寒い……)
男は己の体が沈んでいくのを感じていた。手足が鉛のように重く、指先一つ思うように動かない。
ずいぶんと前から遠くのほうで何かに呼ばれるような音がしていた。それを確かめたいが、この状態では確かめるどころか沈み続ける体を止めることすら叶わない。加えて急に感じたこの寒さが男の行動を全て否定するようだった。それに、己を呼ぶ音よりももっと近くからそのまま委ねてしまえと囁く声がする。酷くやさしく、甘く響くそれに従えば寒さからも逃れられるような気がした。
(もう、放って置いてくれ…)
ついにもがくことをやめた男は流れに身を任せる。まるで待っていたとでも言うように沈む速度が上がった気がした。冷たい風が体を刺すように通り過ぎていく。
(そう言えば、前にもこんな寒い思いをした気がする。あれは……?)
短いですけど次のになんとなく続きます。
実はすっかり忘れるところだった。
また「追記サーセンww」ってやるとこだったよ!
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