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Land Traveler - 第4章 - 12話

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 二つの刃がぶつかり合い、キン、だとかガキィィだといった激しい音が辺り一体に響いた。ガチッと一際大きな音がしてその鍔が合わさると、そのまま二人はしばらく間近で睨み合う。押し付けている剣がお互いの力で小刻みに震え、ガチャガチャと音を立てる。
突然、バッと同時に二人が後ろへ飛んだ。そのまま今度は睨み合いだけが続く。お互い一歩も譲らない。気を抜いたほうがやられる。
「あなた、強いのねぇ」
 不意にミレディアが少し意外そうな顔で話しかけた。向けられた剣先はなおもレオマイルを捕らえている。彼女の言葉にレオマイルがフッと表情を緩めた。
「君も、女の子なのに凄いね」
「女だからって、甘く見ないでよぉ!」
 言葉と同時にミレディアが黒い光を目の前に翳した。一度バラバラに四つに分かれたそれは、ミレディアの指先の動き一つで一気にレオマイルに襲いかかる。レオマイルが飛び退く。すぐそばにあった岩が黒い光に包まれたかと思うと弾けるようにして粉々に砕かれた。思わずレオマイルがヒュウ、と口を鳴らす。
「凄いね」
「こんなものじゃないわよぉ」
 得意そうに顎を上げると、更に大きな黒い光を創り出した。先ほどと同じように目の前に掲げる。その瞬間、ミレディアはその瞳を大きく見開き、バチィッと音を立てて創り出したばかりのそれを消した。同時に体を後ろへと反らせる。鼻先を下から振り上げられた剣の切っ先がかすめていった。
「っ、やるじゃない」
 少し忌々しそうに、けれど不敵に笑ってそう言うと、剣を振り上げたままの状態でレオマイルも強気に笑った。荒い二つの息遣いだけが響く。二人ともピクリとも動かずに相手をしかと見つめていた。ファルトたちも、ましてや化け物も立ち入れない張り詰めた緊張感があった。



 突然ミレディアがバッという音がしそうな勢いで顔を上げて城のほうを見つめた。唖然として見つめるレオマイルを無視して視線を反らさない彼女は、誰かと話をしているのか、時折表情を険しくし、苦情のような声までも聞こえてきた。他所に意識の逸れた彼女に攻撃をしかけるべきか迷っていると、ミレディアが急に体の向きをレオマイルの方へと戻した。
「ごめんねぇ、ヴォル様にぃ、もう終わりにしろって言われちゃったぁ。だからバイバァイ」
 ペロッと舌を出して手を振ったかと思うと、あっという間に宙に浮き上がり、城のほうへと消えて行った。
 レオマイルは、あまりの展開に呆然と彼女の消えた先を見つめるよりほかなかった。



突如始まって突如終わる戦闘シーンでした。 単にレオもミレディアもちゃんと強いんだよって言いたかっただけとも言う。 この二人、敵じゃなかったら気が合いそうだよなぁ。。。 と言うか、オープンカフェとかで 「あのレディいいな」 とか言ってるレオの横でフロート系の飲み物飲みながら 「あんたの趣味ってわっかんなぁい」 って呆れてそう。 ちなみに(勝手に)レオのおごりで。 なんか幼馴染とか腐れ縁な感じかな。
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