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Land Traveler - 第4章 - 8話

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 翌日野営地から暫くも行かない内に、ファルトたちはゾンビなどのモンスターに襲われた。それが一段落する頃には、まるで待っていたかのように島に来る前によく相手にしていた、小型から中型のモンスターや、飛行可能なものまでが目の前に立ち塞がった。それらを魔法で一瞬にして燃やしていく。火から逃れた者もいたが、そう多くもなかったのでレオマイル一人で事足りた。




 ようやく城郭付近にまで辿り着いた時、エリスの乗っていたケイが甲高く鳴き声を上げてバランスを崩した。何事かとあたりを見渡すと、下界に弓を構えた大勢の敵がいた。城郭からこちらを見上げるそれは、人のように後ろ足で立ち、前足で弓を構えている。顔つきも体を覆う毛もどう見ても獣のそれなのに、大きさと態勢は人間そのものだった。それらがファルトたちを睨むようにして次の矢をつがえる。
 ケイが崩れたバランスを整え、刺さった矢だけを器用に燃やした。そのままギョロリと下を見下ろすと、弓を構えた者たちに向かって口から勢いよく炎を吐き出した。激しい呻き声を上げながら全身が炎に覆われた敵が倒れ、ゴロゴロとその場を這い回る。
「大丈夫か!?」
 少し離れたところからファルトが声を掛ける。彼の周りにも敵が群がり簡単には動けない。エリスの周りもあっという間に囲まれ、ファルトの近くに寄ることさえもままならない。なんとか返事だけ返して敵と対峙する。ケイもファルトに答えるように力強く鳴き声をあげた。

「危ない!!」
 声に振り向くと、レオマイルの目の前で光の塊が弾け散った。目を見開いたレオマイルの視線の先では、レイラが両手を翳したまま、安心したように大きく息を吐き出していた。
「さーんきゅ」
「いえ、これ位しかお役に立てませんので」
 気持ちを落ち着かせた二人が顔を見合わせて苦笑しあう。そこに、ようやく敵を蹴散らせたファルトとエリスも近づいてきた。ひと段落したようで、周りを見渡しても襲ってくるような気配は感じられない。
「でも何で急にあんなの飛んできたんだ?」
 突如襲ってきた光の塊にレオマイルが不思議そうに首を傾げる。レイラが相殺してくれなければ今頃地面に伏すことになるなっていただろう。出処を探すように辺りに目を向けるレオマイルに、同じように辺りに視線を向けていたファルトが答えた。
「ウィザード、か…」
 厄介だな、と呟くとどう応じるべきか考える。武器を使った攻撃と違い、いつどこから来るのか予想をつけにくい分、攻撃を受ける可能性も高い。気付くのが少し遅れただけでも命取りになることもあった。ウィザードに一人割いたとして…と作戦を練る。
「私が防御します。皆さんは他の者たちに集中してください」
 敵陣の真ん中で考え込み始めたファルトの思考を遮るようにレイラが自身に満ちた口調で名乗り出た。その態度と笑顔に促される形でウィザードの対応を全てレイラに任せることにする。すると、まるで待っていたかのように巨大な氷柱と炎が大量に、別々場所から4人に向かってきた。ハッとして身構えたが、それらは四人に触れることなく弾かれた。剣にを掴んだ手に込めた力を抜くと安心してホッと息を吐く。
「容赦ねぇな…」
 思わずといった様子でレオマイルの口から漏れた。バラバラと下に落ちていく氷を眺めていると、そのあまりの量のえげつなさに顔が引き攣るのがわかった。
「大丈夫です、魔法は得意ですから。それに、ああいったタイプの魔法には強いんです」
 少し鼻を高くしたレイラの余裕に満ちた表情を見てレオマイルもしたり顔で目線を合わせた。

 手綱を勢いよく振り、天馬でかけていく。下には更に大きさを増したモンスターたち。前方にはドラゴンやそれに乗った黒い甲冑姿のものもいる。それらを視界に留め、不敵に笑うとレオマイルは四人の戦闘を切った。

「行っくぜぇぇ!!」



ようやく近くまで来ました。あと数話でお城の中に入れるはずです。 正直に言うとモンスターとか色々考えたいんですけど何せ、名称を考えられない。 で、結局ありきたりになります。
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