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Land Traveler - 第4章 - 13話

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「っし!最後!!」
 声と共に化け物の首を斬り落とした。ミレディアがいなくなったあと、レオマイルだけ突っ立っているはずもなく、三人と共に化け物を撃退した。
 手にした剣を振り下ろし、付いた汚れを簡単に落とすと他の三人が近くまできていた。誰からともなくミレディアの消えた先を見上げる。城壁の先に見えるその城は威圧感を持って四人の視線を受け止めていた。
「…行くぞ」
 じっと睨むように見つめていた視線をようやく外したファルトが静かに三人を促した。各々短く返事を返すと飛竜や天馬にまたがる。歩いてその城壁を潜ることなど端から考えてなどいない。先ほどの襲撃もできることならさっさと上空へ逃れて無視してしまいたかった。

 しっかりと手綱を握ると砂埃が舞い上がる。城へと向かって飛竜たちは大きく翼を広げて飛び立った。




「ほぅ。城壁はたった今壊された、と?」
 見透かされるようなその瞳にライは肩を竦ませた。しかし、怒っているような様子は見られず、どちらかというと愉快そうにも見受けられる。そんな彼の人の様子にライは心の内で知らず胸を撫で下ろした。
「まぁまだ持った方か」
 さらにはそんなことまで口にして満足そうに口元を緩ませている。常にない主の様子にライだけでなく、共に城に戻ってきたミレディアやセルディスも不思議そうに主の様子を見つめる。

「ライ、ミレディア、セルディス」
「は」
 急に雰囲気を普段のものに戻したヴォルドヴェラに慌てて三人がかしこまる。三人をゆっくりと見渡したヴォルドヴェラが口を開いた。
「そろそろお前たちも退屈していたころだろう?」
 ニヤリ、とヴォルドヴェラが口元を歪ませる。それは、三人に対する参戦の許可に他ならなかった。
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