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Land Traveler - 第4章 - 14話

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 飛竜を使っても下からやドラゴンによる攻撃の手が緩むわけではなかった。さらには黒魔使いの量も明らかに増え、レイラが苦難を強いられることになっていた。防護壁を創ってしまってもよかったが、そうすればこちらから攻撃をすることもできなくなってしまう。飛竜から降りた時にこれら全ての相手をすることを考えると、多少なりとも今の状態で減らした方がいいのは明確。必然的に防護壁は貼ることができなかった。
「大丈夫か?」
「はい…何とか!!」
 そう答えつつも必死の形相に変わりはない。手を貸すべきだとわかってはいても自分たちのほうに余裕があるわけでもないので下手に手を出せない。
 下から大量の矢が襲いかかる。それをファルトが創りだした炎で一掃した。
「ありがとうございます」
「黒魔使いを片付けるのは後にしていい。まずは繰り出してくる魔法を片付けろ」
 そう言うとファルトは飛竜を前に進め、襲いかかるドラゴンを迎え撃つ。レイラもすぐに行動に移す。いち早く魔法の気配を察知し、襲ってくる魔法が四人に届く前に全て相殺させる。

 四人に城の入り口が近づいてきていた。





「火矢を用意しろ!飛竜の翼を狙え!!」
 四人が向かってくる城のそばでディオクレイアはモンスターたちに指示を与えていた。モンスターたちは彼女の声に機敏に動き、その命令に従う。矢を番えたモンスターが言われた通りその目標を飛竜の翼に定めて 放つ。しかしそれはファルトの魔法に阻まれてうまく当たらない。見ると上空で戦っているドラゴンも段々とその数を減らされてしまっている。そのうち全滅するのも目に見えていた。

『ディオクレイア、聞こえるか?』
 突如ディオクレイアの頭にヴォルドヴェラの声が響く。しかし彼女は慌てるようなことはせず、出していた指示を中断させてその声に集中する。
『はい、聞こえております』
 急に指示を与えなくなった彼女に、周りのモンスターが不思議そうに首を傾げて彼女を見る。そしてその様子から彼女がヴォルドヴェラと交信しているのだと気付くと、すぐに視線をファルトたちに戻し、再び飛竜に向かって矢をつがえた。
『こちらの準備が整った。適当なところで城に入れ、ドランが引き継ぐ』
『かしこまりました』
 それで通信は途絶えた。伏せていた目を開き、ファルトたちを見上げる。次いで城の入り口に目を向けると、いつの間にいたのかドランが視線を合わせ頷いてみせる。それを見届けると再び戦場に視線を向け、ファルトたちには聞こえないように交信する。
『全モンスターに告ぐ。奴らに気付かれぬようゆっくりと退却、ドランの元へ誘導せよ。城内に入れた後、半数は出入り口を塞げ。後の指示はドランに従うように』
 一通り指示を出すとモンスターの動きを確認することなくその場を立ち去る。
 ディオクレイアの監視がなくともモンスターたちは彼女の出した命令に従い、ファルトたちを城のほうへと追い立てた。その様子を見て、ドランが指示を加える。
 やがてファルトたちは警戒を強めながらも城の中へと足を踏み入れた。



いよいよ城内に入ります。 で、次から章が変わるはずです。 作業ファイルの名称が4章扱いになってるので4章のままだったら「あ、忘れてるな。こいつ」と思って下さい。
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